精神一到,何事かならざらん
身の上相談
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下一篇 2007-05-09 15:38:14
/ 个人分类:日本語の練習
身の上相談というものがこの頃大分はやっているらしい。ある女流作家が、自ら某新聞の相談欄に解答の筆を取りながら、身の上相談なんか他人に持ち込む人間の気が知れないということを書いていた。人間は本来孤独なもので、自分のことは自分で始末するより仕方が無い。自分の代わりに人にうどんを食べてもらったり、代わりに薬を飲んでもらったりするわけにいかない以上、自分の問題も人に解決してもらえっこない、というのである。だからといって身の上相談を人に持ち込むのをやめろというのではなく、そこから解決のひとぐちを自分で引き出せというのであって、彼女自身は決して相談欄の執筆をやめる気はないらしい。
人の不幸を見で自分の幸福を確認するという心理は、「かったいのかさうらみ」の諺に無残に暴露されているように、救い難い人間の弱点であろう。身の上相談が本当に人の窮境を救うためのものであるなら、その人に直接返事を出せば,それで済むわけである。すれを紙上に公表することによって、その当人に限らず類似した問題に悩む読者への参考にするというのは、一応理屈ではあるし、それはそれとしての意義があることはいうまでもないか、記事としての実際の意図は、読み物として、娯楽としての存在価値にあることは否定できない。毎朝朝刊を広げて、インテリらしく、まず第一面に目を通すようなふりをしながら、ひそかに第八面の身の上相談を見るのを楽しみにしているのは私だけであろうか。美容体操の効なく64キロを越した肥満体についての悩みを発見しては、58キロの自らを大いに慰め、夫の浮気に苦しむ妻の訴えを読んでは、パチンコで損ばかりしている亭主を許す気になる奥さんが、実は意外に多いのではなかろうか。あるいは自分の苦難もソクラテスほどはないのだと、わずかに我が身を励ます恐妻亭主もいくらかいるのではなかろうか。もし、そうでないとしたら、日本人の品性の高さを喜ぶべきであろうか、同時に、新聞社の企業としての意図が不成功に終わることを憂えなければあるまい。
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