御伽草子の一(和泉式部)

上一篇 / 下一篇  2008-01-26 21:14:23

 

和泉式部

花の都の一条天皇の時に、内裏に和泉式部と言う美しい女官がいました。式部には内裏に橘保昌という恋人がいました。保昌は19歳、和泉式部は13歳で、偶然めぐり会い、和泉式部が14歳の時に子供を生みました。和泉式部はこのことを恥ずかしいことと思い、五条の橋の上に捨て子をしました。菖蒲の産着の中に一首の和歌を紙に書き置き、鞘のない短刀を添えておいておきました。ある町人がこの子を拾い、養育して比叡山へ預けました。
ところで、この子は、成長するにつれて学問への志がより深く、比叡の山でも有名になりました。18歳の時内裏へ召され、内裏の仏教の教師となり、皇居に参りました。この時の名を道命阿じゃりと言いました。
そんな夏のある日、内裏で講義をしている時、風が吹いて局のカーテンが吹き上がり、年齢二十数歳ほどの式部が目に入りました。この女は眉の辺りに愛嬌があり、学問好きの女でした。道命はこの時からこの女に憧れて、宿舎に帰ってからも、この人の姿が忘れられず、その夜は一睡もできないで、ただただ恋しさが増すだけでした。
次の日も一目見たいとひたすら願っていましたが、その日もとうとう会えませんでした。こうして毎日恋しく一目会いたいと思っていましたが、とうとう一ヶ月の学期が終了してしまいました。比叡山に帰る前に憧れた人と会って最後のお別れを言いたいと思いました、再び内裏へ上ろうにもその方法がありません。そこで柿売りとなってまた内裏に入りました。
柿を売っていると、その式部の局より女中が一人出て来て、二十銭で柿を二十個を買いました。女中が柿を選んでいる時、道命はこう言う和歌を作りました。
旅衣一人まろ寝の草枕袂しぼらぬ暁もなし(旅にあって、一人寝の旅の眠りに、涙で袖を濡らさない朝はありません)
女中は道命をつくづくと見て、「こんなに上品な和歌が作られるのに、どうして柿売りなどしているのだろう」と不思議に思いました。式部もこの和歌を見て興味を覚え、「今の商人の帰るところを見てきなさい」とおっしゃって、人に跡をつけさせました。
道命は「今日も日が暮れた。明日こそは会えるだろう」と思って帰りました
女中は道命の泊まっている旅館をよく見て帰り、この様子を式部に申し上げました。式部は「この方はきっと由緒正しい方であろう、私を恋い慕って、このような商人にまでなったと思われる」と思って、逆に道命に激しく引かれ、「小野小町も人に恋われて、ついに四位の少将に身を寄せたという」と思い出しながら、この男性を訪ねようと思い、夜になって式部は自分から内裏を出て、道命の旅館に行って、戸をこつこつと叩いて、出でて干せ今宵ばかり月影にふりふり濡らす恋の袂を(恋の涙の雨が降って濡らした袖を今宵の月光に干してみなさい)と読んだのを、道命は中から聞いて夢のような心地で、表の戸を開けて、憂い顔で、出でずとも心のあらば、影さして、闇をば照らせ有明の月(こちらから出て行かなくても私の恋する心があるなら、入ってきてこの暗い私の心を照らしてください。暁の月よ)と詠むと、この式部は強く引かれて、中に入りました。その夜は鴛鴦比翼の契りを結びました。

こうして夜もようやく明けました。きぬぎぬの時、道命の持っていた刀を式部に一目みて、なぜか目に留まって、「女であれば、守り刀を持つことはありますが、男が守り刀をお持ちなのはどうしてですか」と聞くと、道命は「これは訳のある刀でございます。私は元来、五条の橋の捨て子でございました。養父に拾われ、人になりました。この刀は実母が私に添えてくれた刀でございます。私は母と思って身に放さず持っています」と言いました。

式部は「あなた様はおいくつにおなりですか」と聞きました。道命は「養父によれば、18歳になります」と言う。

式部が「産着は何でしたか」と聞くと「菖蒲の小袖で、その中に一首の和歌がありました」。式部は「どういう和歌ですか」とさらに聞きました。

男は和歌を書き置いた紙を取り出し、

百年にまた百年は重ぬとも七つ七つの名を絶えじな(百年にまた百年を重ねて年をとったにしても、14歳であったと、言われたくないものです)

とありました。

式部はその紙を取って見ると、何と自分の書いたものでした。式部は道妙の持っていた短刀をわが身の形見と思って持っていた自分の鞘に合わせてみると、疑いもなく、その短刀でした。和泉式部は「何と言うことでしょう。親子と知らないで不夫婦になってしまった。何という罪でしょう」。道命も考えもしなかったことに当惑し、どうしていいか分かりません。二人は気も動転してただ深い悩みに沈むばかりでした。もはやこの世に生きていても仕方ないと思い、和泉式部と手に手を取って都を夜中に出て、播磨の国の性空上人の弟子になりました。

後に式部は往生する時、こういう一首の和歌を作りました。暗きより暗き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月(暗い世界から暗い世界へと私は行こうとしています。この暗い未来をはるかに照らしてください、山の端の月よ)

ここから、「和泉式部」という名を罪深い女性の代わりとして申し上げた次第です。

人の恐ろしいのはまことに煩悩というもおでございます。

[后记]

偶然看到的日本民间传说,因为特别适合二级水平的读者,作为练习和大家一起分享学习。想必恒多人看过动画[御伽草子],这里的故事无一是与动画重复的,很有意思的。

 

[译文]

一条天皇在位时,在如花似锦的都城,有一位女官,天生丽质,才华横溢,

人称和泉式部。她的恋人也在宫廷做事,名叫橘保昌。保昌19岁和式部13岁的时候,两人偶然相遇,坠入情网,结果次年式部产下一子。她为此事感到羞耻,于是,悄悄把婴儿带出去,丢弃在京都第五条大街的桥底下。婴儿穿的衣服上绣着菖蒲团,里边裹着一张纸,上面写着一首和歌,还放了一把没有刀鞘的短刀。有一个住在城里的人,把孩子捡了回去,养大以后送到了比叡山上的一家寺庙里当了和尚,学习佛教经典。

这个孩子志向远大,勤学好问,一天天长大,一天天成才。他出类拔萃,甚至在比叡山上也是名气不小的人物了。他18岁的时候,宫廷下诏,宣召他进宫讲解佛教经文,于是应召去了皇宫。此时,他的法名为道命阿蔗梨。

道命阿蔗梨在皇宫讲解经文,时值夏日,有一天上课的时候,一阵风起,把垂帘吹起,映入道命眼帘的是一位女官,二十多岁的样子,眉眼十分娇媚,看上去聪明睿智,分明是个才貌双全的女子。道命一下子就迷上了,回到住所,那个倩影依然在脑海里萦绕。这一夜,他辗转反侧,几乎一宿未合眼,越想越不舍。

盼到天亮好去上课希望能再见佳人一面。第二天他一边上课一边期待。下课了,思念的人儿没有出现。道命朝思暮想,每天都盼着再看那位可人儿一眼。然而,直到一个月的课程结束了,还是未能见到。他应该要回比叡山了。他想着回去之前一定要再见上一面,述说衷肠。于是他装扮成买柿子的商贩,到皇宫去买柿子。

“卖柿子!”他吆喝着,女官房中走出一个女佣,过来买柿子,二十个铜子买二十个柿子。她挑选柿子的时候,道命作了一首和歌拿给她看:

相思泪,漫漫旅途,长夜孤枕人难寐;相思泪,夜夜转侧,泪湿衣襟夜无尽。

女佣好生奇怪,仔仔细细打量他,心里想:“如此高雅脱俗,能吟诗作文的人如何会在此买柿子呢?”真是费思量。和泉式部读了和歌,不由对作者产生了兴趣。她吩咐女佣:“跟着他,看他回哪里去。”

道命在心理对自己说:“今日已近黄昏,见不着了,明天或许能见着吧。”他依然抱着希望,回去了。

女佣跟踪道命来到他住宿的旅馆,仔仔细细查看了一番,回去禀报了。和泉式部想:“看样子,此人是上等出身了。因为迷恋我,才装扮成小商贩的。”她这么一想不要紧,自己反而被对方强烈的吸引了。“小野小町被人爱慕不是也肯下嫁,最后把终身托付给四等少将吗?“想着,想着,她决心去会会这位风雅之士。夜幕下,她出了皇宫,来到道命的住处。咚咚,她敲门,吟诵到:

相思泪长流,衣衫已湿透;今夜月光辉,请君晾衣袖。

道命在屋内听见这首和歌,仿若是在梦中。他开了房门,但是没有出来,神情忧郁的吟道:

晓月若有知,暗夜照我心。

道命的和歌强烈的吸引了和泉式部,他走进屋里。是夜,两人互诉衷情,许下誓言:在天愿作比翼鸟在地愿为连理枝。

破晓时分,夫妻依依惜别,交换穿衣。和泉式部一眼瞥见道命身上有一把护身短刀。她迷惑不解,问道:“若是女子的话,身带短刀,也是寻常事,可是为何你也会带着护身短刀呢?”道命听问,答道:“这是有缘由的。我本是弃婴,养父在五大街的桥下捡到我,养育成人。这把刀是生母留下的。我思念母亲,所以一直随身带着。”

和泉式部问:“你多大了?”道命说:“据养父所言,十八了。”

“但是穿什么样的婴儿服装?”道命答道:“绣着菖蒲图案的小袖,里面还夹着首和歌。”和泉式部继续追问:“什么和歌?”道命把当年的那张纸拿了出来,念道:

双七年华时,风流结孽怨;百年复百年,羞于与人言。

和泉式部听完和歌,把纸条接过来,一看,这不正是自己写得吗?原来她随身也带着把刀鞘座位纪念。她把道命的短刀拿过来,插入刀鞘,分毫不差,就是这把刀,就是这把鞘。和泉式部不禁怅然:“天哪!这是什么冤孽啊,母子对面不相识,竟然成了夫妻!”道命做梦也想不到命运如此作弄,不知如何是好。两人悲痛欲绝,陷入极度的痛苦之中。和泉式部和道命都觉得无法在活在这个人世了,乘着夜色,两人手拉手离开京都,双双到播磨国出家,当了性空上人的弟子。

和泉式部不久于人世的时候写了这么一首和歌:

黑暗中来,黑暗中去;山端的晓月啊,请照亮我去往地狱之路。

听说从此以后和泉式部这个名字就成了罪孽深重的女子的代名词。
人啊,真正害怕的,是自己的罪孽啊。


TAG: 菖蒲 成長 短刀 和歌 泉式

 

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