みなさまにはますますごせいしょうのよし.なによリにございます

卖火柴的小女孩

上一篇 / 下一篇  2007-12-28 09:50:24

それは、ひどく寒いおおみそかの夜のことでしたあたりはもうまっくらで、こんこんと雪が降っていました寒い夜の中、みすぼらしい一人の少女が歩いていましたボウシもかぶらず、はだしでしたが、どこへ行くというわけでもありません行くあてがないのですほんとうは家を出るときに一足の木ぐつをはいていましたでも、サイズが大きくぶかぶかで、役に立ちませんでした実はお母さんのものだったので無理もありません道路をわたるときに、二台の馬車がとんでもない速さで走ってきたのです少女は馬車をよけようとして、木ぐつをなくしてしまいました木ぐつの片方は見つかりませんでしたもう片方は若者がすばやくひろって、「子供ができたときに、ゆりかごの代わりになる」と言って、持ちさってしまいましただから少女はその小さなあんよに何もはかないままでしたあんよは寒さのために赤くはれて、青じんでいます少女の古びたエプロンの中にはたくさんのマッチが入っています手の中にも一箱持っていました一日中売り歩いても、買ってくれる人も、一枚の銅貨すらくれる人もいませんでした少女はおなかがへりました寒さにぶるぶるふるえながらゆっくり歩いていましたそれはみすぼらしいと言うよりも、あわれでした少女の肩でカールしている長い金色のかみの毛に、雪のかけらがぴゅうぴゅうと降りかかっていましたでも、少女はそんなことに気付いていませんでしたどの家のまども明かりがあかあかとついていて、おなかがグゥとなりそうなガチョウの丸焼きのにおいがしますそっか、今日はおおみそかなんだ、と少女は思いました一つの家がとなりの家よりも通りに出ていて、影になっている場所がありました地べたに少女はぐったりと座りこんで、身をちぢめて丸くなりました小さなあんよをぎゅっと引きよせましたが、寒さをしのぐことはできません少女には、家に帰る勇気はありませんでしたなぜなら、マッチが一箱も売れていないので、一枚の銅貨さえ家に持ち帰ることができないのですからするとお父さんはぜったいホッペをぶつにちがいありませんここも家も寒いのには変わりないのです、あそこは屋根があるだけその屋根だって、大きな穴があいていて、すきま風をわらとぼろ布でふさいであるだけ小さな少女の手は今にもこごえそうでしたそうです!マッチの火が役に立つかもしれませんマッチを箱から取り出して、カベでこすれば手があたたまるかもしれません少女は一本マッチを取り出して――「シュッ!」と、こすると、マッチがメラメラもえだしました! あたたかくて、明るくて、小さなロウソクみたいに少女の手の中でもえるのです本当にふしぎな火でしたまるで、大きな鉄のだるまストーブの前にいるみたいでした、いえ、本当にいたのです目の前にはぴかぴかの金属の足とフタのついた、だるまストーブがあるのですとてもあたたかい火がすぐ近くにあるのです少女はもっとあたたまろうと、だるまストーブの方へ足をのばしましたと、そのとき! マッチの火は消えて、だるまストーブもパッとなくなってしまい、手の中に残ったのはマッチのもえかすだけでした少女は別のマッチをカベでこすりましたすると、火はいきおいよくもえだしました光がとてもまぶしくて、カベがヴェールのように透き通ったかと思うと、いつのまにか部屋の中にいましたテーブルには雪のように白いテーブルクロスがかかっていて、上にごうかな銀食器、ガチョウの丸焼きがのっていましたガチョウの丸焼きにはリンゴとかんそうモモのつめ物がしてあって、湯気が立っていてとてもおいしそうでしたしかし、ふしぎなことにそのガチョウが胸にナイフとフォークがささったまま、お皿から飛びおりて、ゆかをよちよち歩き出し、少女の方へ向かってきましたそのとき、またマッチが消えてしまいましたよく見ると少女の前には、冷たくしめったぶ厚いカベしかありませんでした少女はもう一つマッチをすると、今度はあっというまもありませんでした少女はきれいなクリスマスツリーの下に座っていたのですツリーはとても大きく、きれいにかざられていましたそれは、少女がガラス戸ごしに見てきた、どんなお金持ちの家のツリーよりもきれいでごうかでしたショーウィンドウの中にあるあざやかな絵みたいに、ツリーのまわりの何千本もの細長いロウソクが、少女の頭の上できらきらしていました少女が手をのばそうとすると、マッチはふっと消えてしまいましたたくさんあったクリスマスのロウソクはみんな、ぐんぐん空にのぼっていって、夜空にちりばめた星たちと見分けがつかなくなってしまいましたそのとき少女は一すじの流れ星を見つけましたすぅっと黄色い線をえがいています「だれかが死ぬんだ……」と、少女は思いましたなぜなら、おばあさんが流れ星を見るといつもこう言ったからです人が死ぬと、流れ星が落ちて命が神さまのところへ行く、と言っていましたでも、そのなつかしいおばあさんはもういません少女を愛してくれたたった一人の人はもう死んでいないのです少女はもう一度マッチをすりました少女のまわりを光がつつみこんでいきます前を見ると、光の中におばあさんが立っていました明るくて、本当にそこにいるみたいでしたむかしと同じように、おばあさんはおだやかにやさしく笑っていました「おばあちゃん!」と、少女は大声を上げました「ねぇ、わたしをいっしょに連れてってくれるの? でも……マッチがもえつきたら、おばあちゃんもどこかへ行っちゃうんでしょあったかいストーブや、ガチョウの丸焼き、大きくてきれいなクリスマスツリーみたいに、パッと消えちゃうんでしょ……」少女はマッチの束を全部だして、残らずマッチに火をつけましたそうしないとおばあさんが消えてしまうからですマッチの光は真昼の太陽よりも明るくなりました赤々ともえました明るくなっても、おばあさんはいつもと同じでした昔みたいに少女をうでの中に抱きしめましたそして二人はふわっとうかび上がって、空の向こうの、ずっと遠いところにある光の中の方へ、高く高くのぼっていきましたそこには寒さもはらぺこも痛みもありませんなぜなら、神さまがいるのですから朝になると、みすぼらしい服を着た少女がカベによりかかって、動かなくなっていましたほほは青ざめていましたが、口もとは笑っていましたおおみそかの日に、少女は寒さのため死んでしまったのです今日は一月一日、一年の一番初めの太陽が、一体の小さななきがらを照らしていました少女は座ったまま、死んでかたくなっていて、その手の中に、マッチのもえかすの束がにぎりしめられていました「この子は自分をあたためようとしたんだ……」と、人々は言いましたでも、少女がマッチでふしぎできれいなものを見たことも、おばあさんといっしょに新しい年をお祝いしに行ったことも、だれも知らないのですだれも……また、新しい一年が始まりました


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